仙台市保存樹木の桜たち
3月は伊達政宗公の臥竜梅をいろいろ見てきました。
伊達政宗公の臥竜梅(朝鮮ウメ)
その際に仙台市の「保存樹木」になっているものを見かけ、気になったので「桜」についても調べてみました。
平成20年度版の「杜の都の名木・古木」という本を参考にしました。引用はこの本からです。この本が出版された後で保存樹木に指定された木については調べていません。
また、写真がないものは見に行けてない桜です。
仙台市青葉区の桜
羽黒神社のエドヒガン(2本)
元々仙台城にあった羽黒神社は、寛政15(1638)年頃、北山の現在の地に移ったと言われ、この桜の植栽もこの時期と推定される。昔より御神木として崇められ地域のシンボル的な樹木である。花の季節にはやや白っぽい花を数多くつけ、神社のお祭りがこの花の時期に合わせて行われるほどすばらしいものである。樹勢は共に旺盛である。
・所在地:青葉区北山二丁目15
・樹高:18.0m 幹周:2.8m 推定樹齢:370年
・樹高:18.0m 幹周:2.7m 推定樹齢:370年
写真は4月24日のもの。花はまだ咲いていませんでした。毎年4月下旬から5月初旬に咲いているようです。つぼみはまだ硬そうでしたがGWには咲くかな?
↓↓↓社務所の裏側にあります。花が咲いたらきれいだろうなあ・・・
↓↓↓小山のようになってる場所にあります。古墳らしいです。
文殊菩薩堂のヒガンザクラ
国道48号線(作並街道)からの参道の石段を登りつめたところにある。地上3mのところから2支幹に分かれており、幹周は木柵で保護されている。この木の由緒などは特に伝えられていないが、文殊菩薩は慶長8年に開山され、卯歳生まれ一代の守り本尊として信仰を集めている。
・所在地:青葉区八幡六丁目10−18
・樹高:22.0m 幹周:2.6m 推定樹齢:350年
「杜の都の名木・古木」には「木柵で保護されている」と書いてありますが、柵はありませんでした。ここには何本か桜の木があって、そこから広瀬川や町並みが一望できます。
(写真は4月14日)
八幡のシダレザクラ
菩薩堂にむかって左山手の杉木立のなかに位置している。文殊菩薩が開山された時に植えられたといわれる。
・所在地:青葉区八幡六丁目10−18
・樹高:13.0m 幹周:2.3m 推定樹齢:370年
文殊堂の近くにある建物のすぐ横にありました。が、どこにあるのかわからず、探すのに一苦労しました。そして、その建物や周辺の足場などの関係上、木全体と捉えるのが難しかった^^;
(写真は4月14日)
裁判所のヒガンザクラ
シラカシ(保存樹木)のそばに位置し、地上1.6mの部位から2幹に分かれ、主幹はさらに2分して伸びている。
・所在地:青葉区片平一丁目6−1
・樹高:12.5m 幹周:3.0m 推定樹齢:250年
仙台高等裁判所の片平丁通り側にあります。ヒザンザクラ以外にもシラカシやコウヤマキなど樹齢300年を越えるものや、他にもヒマラヤスギなど保存樹木が密集している場所です。以前記事を書いた臥竜梅もすぐ近くにあります。
(写真は4月14日)
瑞鳳寺のヒガンザクラ
臨済宗妙心寺派瑞鳳寺は2代藩主忠宗公が創建した寺である。本堂の裏庭に政宗公没後300年を記念して昭和10年に建てられた茶室があり、そのそばにこの木がある。木にまつわる伝説などはないが、昔、この場所に海眼閣という朱塗りで3階建ての楼があって、伊達家の姫君たちが歌合わせなどで楽しんだという。
・所在地:青葉区霊屋下23−5
・樹高:15.0m 幹周:3.3m 推定樹齢:330年
本堂の奥にあるためわかりづらいw 枝が渦を巻くように、ぐるんぐるんしてました。茶室と本堂のすぐそばで、周りは背の高い木に囲まれて、なんとなく窮屈そうにも見えました。見上げるようにしか撮れなかったです。
(写真は4月14日)
検察庁官舎のシダレザクラ
かつて、この場所が伊達藩の武家屋敷であった寛文7年頃に植えられたと推定される。
・所在地:青葉区大手町2−9
・樹高:15.0m 幹周:3.3m 推定樹齢:300年
青葉通から西公園の脇を通って大橋に向かう途中左手にあります。仙台城からも見えるこの桜。建物(検察庁官舎?)は去年かおととしに全てなくなっており、2本の桜と、保存樹木のサルスベリ(推定樹齢300年)が残されています。塀に囲まれて立入禁止になっているため、遠くからしか見えません。
(写真は4月15日)
↑↑↑多分、右側にある木がサルスベリ。
↓↓↓塀の外側から。
↓↓↓大橋の方へ下って撮りました。下から見上げるような感じになってます。
塀のそばにももう1本桜の木があります。下の写真の右側がそれです。保存樹木は左奥に見える木のほうです。
東六番丁小学校のヒガンザクラ
校庭の東側に位置し、土井晩翠作詞の校歌にも歌われており、校木として保護されている。承応3(1654)年に仙台の東照宮社殿完成を前に日光東照宮から御神体を迎えた際、この地に仮宮を設けて一時安置した。その木はその跡地に植えられたものと伝えられている。榴岡の桜よりも早い時期に植栽されたといわれ、市内の桜では最も古い木のひとつとされている。
・所在地:青葉区宮町一丁目2−1
・樹高:10.0m 幹周:5.6m 推定樹齢:300年
小学校の敷地にあるため、外から撮りました。遠くからでも幹が太いのがよくわかります。ここの児童たちはこの桜の前で記念写真撮るのでしょうねえ・・・
(写真は4月16日)
大梅寺のシダレザクラ
大梅寺は慶安3(1650)年に建立され、雲居禅師は大徳寺などで修行した高僧で伊達政宗の招きで瑞巌寺の中興第一世となったほか、領内に多くの寺院を開山した人である。寺はその後、伊達綱村により霊亀の二字を加えて瑞雲寺霊亀祥厳大梅寺と改められた。この桜は綱村公のお手植えとされ、本堂の前庭にあり、春には薄紅の花を咲かせる。
・所在地:青葉区茂庭字綱木裏山4
・樹高:16.0m 幹周:3.0m 推定樹齢:270年
下愛子のカンザシザクラ
市内では3本しか確認されておらず、希有な品種で市外には京都の佐野園、大阪造幣局、皇居に1本ずつと全国でわずか6本しかないものである。カンザシザクラはその名のとおり4,5個の花が固まって咲く様子が女性のさす簪に似ているところから名付けられた。花は5月上旬頃開き、淡い桃色の20〜24枚の花弁が重なり合って咲くのが特徴であり、市の天然記念物に指定されている。
・所在地:青葉区愛子中央一丁目4−2
・樹高:9.0m 幹周:1.0m 推定樹齢:—年
4月18日と24日に2回見に行きましたが、見ごろはまだ先でしたorz
ここに3本あるとのことですが、2本しか確認できず。花が咲いたらわかりそうですけどね。
↓↓↓4月18日のつぼみです。
↓↓↓4月24日。花は少しずつ開き始めていました。
愛子駅前のシダレザクラ
ここの「枝垂れ桜」は、昭和4年(1929年)9月仙山線東線の仙台~愛子間の開通による愛子駅開業の際「愛子」の地名の起因と言われる子愛(こあやし)観音堂境内の枝垂れ桜の根延えを「愛子駅開通記念樹」として当時の駅長と駅員が植えたものと言われ、平成12年(2000年)愛子駅前広場が整備され、駅前中央部に移植されました。
【愛子(あやし)駅前 「枝垂れ桜」 – ぐるっと広瀬100巡り】より
こちらの桜は、平成24年に保存樹木に指定されましたので、平成20年度版の「杜の都の名木・古木」には掲載されていません。愛子駅のロータリーのところにあって、かなりでかい。愛子では有名なのでしょうけど、私は知人に教えてもらって知ることができました。ちょうど見ごろな感じで、撮影しに来てる方もたくさんいらっしゃいました。
・所在地:青葉区愛子中央一丁目
・樹高:約10m 推定樹齢:100年
(写真は4月18日)
仙台市宮城野区の桜
榴岡公園のシダレザクラ
元禄年間、4代藩主伊達綱村が、生母三沢初子の霊を弔うために釈迦堂を建て、京都から桜苗1000本を取り寄せて植えたものといわれる。当時より茶屋などがあって花見の名所となり、大正13年から昭和43年の間は国の名勝に指定されていた。この木は仙台枝垂桜ともいわれるが、花色により白枝垂桜・薄紅枝垂桜に区別される。ここには他に元市長遠藤庸治氏が移入した遠藤桜(八重紅枝垂桜)、ソメイヨシノ、ヒガンザクラなどが混在している。
・所在地:宮城野区榴岡10
・樹高:18.0m 幹周:3.4m 推定樹齢:280年
榴岡公園にたくさんある桜の中でも存在感のある木です。
(写真は4月13日)
仙台市若林区の桜
道仁寺のサクラ
本堂の南にある。寺は寛永3(1626)年に開山した。
・所在地:若林区新寺五丁目9−40
・樹高:15.0m 幹周2.6m 推定樹齢:200年
新寺といったらお寺がたくさんあって、桜の木もたくさんあるのに、この「道仁寺」にだけ、しかも3本も保存樹木がある・・・っていうことが不思議な気もします^^;
(写真は4月13日)
道仁寺のシダレサクラ
門より入って、参道左側にあり駐車場に隣接している。幹はスラリと伸び、樹枝もきれいに垂れている。木について由緒などは特に伝わっていない。
・所在地:若林区新寺五丁目9−40
・樹高:13.0m 幹周:2.0m 推定樹齢:200年
(写真は4月13日)
道仁寺のサクラ
本堂の裏手、駐車場の一角にある。
・所在地:若林区新寺五丁目9−40
・樹高:14.0m 幹周:2.3m 推定樹齢:200年
道仁寺の外側に回ったところにありました。
(写真は4月13日)
若林区役所のシダレザクラ
元禄8年(1695年)、四代藩主伊達綱村公は生母三沢初子の霊を弔うため、榴岡に釈迦堂を建て、その付近に京都から桜を取り寄せ植栽した。当時その作業に加わった伊達家登米藩の侍がそのなかの1本を持ち帰り、当時登米藩下屋敷であった現在地に植えたものと伝えられている。
・所在地:若林区保春院前丁3−1
・樹高:7.0m 幹周:2.5m 推定樹齢:390年
区役所北側にあります。
私が見ている時に「前はもっと枝が垂れててもっとすごかったのにねえ」とおっしゃってる方がいました。私は樹木に関して全くのシロウトですのでよくわかりませんが、切られてるっていうことはちゃんと管理されてるってことですよね。これはどの樹木にもいえることだと思います。
南側の広場周辺にも、いろいろな樹木があったり、七郷堀が通っていて、四季折々の美しい風景が見られます。
(写真は4月13日)
仙台市太白区の桜
愛宕神社のエドヒガン
愛宕神社境内北側に位置し、広瀬川を挟んだ土樋から見ることができる。主幹が元で3本に岐出し、バランスのとれた樹冠を形成しており、貴重な古木といえる。
・所在地:太白区向山四丁目47−1
・樹高:13.0m 幹周:3.3m 推定樹齢:350年
愛宕神社内にも何本か桜の木があります。仙台の中心部にあるビル群が一望できる素晴らしいロケーションです。
(写真は4月15日)
金剛寺のシダレザクラ
山門手前の道路右側にある。「地蔵ざくら」といわれている。
・所在地:太白区茂庭字門野60
・樹高:12.0m 幹周:3.1m 推定樹齢:200年
茂庭のシダレザクラ
嶺山の南側すそ野の畑地に位置し、シダレザクラの典型的な樹形をしている見事な古木で、周辺からの観賞性も高い地域の象徴木と言える。
・所在地:太白区茂庭字嶺岸59−1他
・樹高:12.0m 幹周:3.5m 推定樹齢:230年
秋保神社のシダレザクラ
神社境内のほぼ中央に位置する。周囲に障害物がなく環境に恵まれている。
・所在地:太白区秋保町字清水久保北
・樹高:12.5m 幹周:1.7m 推定樹齢:300年
さいごに
400年前に仙台という町を造った伊達政宗公は、城下に住む者の家に植樹することを義務づけたといいます。そこから杜の都は生まれました。
保存樹木に指定されていなくても立派な樹木、寿命を迎える樹木、いろんな樹木があります。
今見ると、「なぜこんな場所に?」という樹木もあって、管理するのも大変だろうと思います。
今回こうやって調べてみて、仙台の歴史をずっと見続けてきた樹木がたくさんあり、普段何気なく見過ごしている樹木のお陰で仙台の美しい景観が保たれているのだな、と実感しました。
PC用
関連記事
-
お花見2014(石橋屋の枝垂れ桜)
今年は先回りで花見してる気がしています。 梅にしても満開を見ていないような… 毎年必ず見たい
-
お花見2013(仙台城址・宮城縣護国神社編)
仙台城址で見た桜たち。 仙台城といっても広いですが本丸跡の辺りで撮ったものです。 ▶伊達政宗
-
お花見2013(仙台市青葉区編)
GWが終わりました。桜もすっかり終わりかといえばそうでもない。 今の時期だけということに違いはない
PC用
- PREV
- 4月のネコたち
- NEXT
- 「おすばでサンバ」に合わせて踊るむすび丸課長